快適性
快適空間

なぜ、高断熱・高気密住宅がいいのか

ウィステリアは、北海道基準を超える高断熱と高気密を標準仕様にしています。なぜ、断熱と気密にこだわるのでしょうか?
それは、住む方の快適さと健康を考えているからです。
高断熱・高気密住宅を一言で表現すると、外気の温度をシャットアウトし、室内に伝えない家のことです。入居後の住まいに対する不満の上位3つは「暑い」「寒い」「結露」。いずれも室温に関することなのです。加えて、冷暖房効率やすきま風など、断熱・気密と密接に関係する項目も不満の上位にあります。
設計時に断熱や気密性能を軽視することは、その後に大きな不満を残すということを、まずはご理解いただかなければいけません。

日本の家庭での電気消費量の推移
夏の外気侵入と冬の放熱のイメージ

断熱していない家の怖さ

断熱していないと具体的にどうなるのか。一番わかりやすいのは電気代です。
現在、毎月かかる光熱費は全国の世帯平均でおよそ24,000円。つまり多くの家庭にとって、光熱費は年間で25万円以上という大きな支出になっています。その内訳は、電気代が月額およそ10,000円で約5割を占め、ダントツ1位。2位にガス代、3位に水道代が続きます。過去10年を振り返っても光熱費の額に大きな変動はありません。「毎年同じようにかかるのだから、これは削れないもの」と考えてしまいがちですが、その決めつけがいつまでも光熱費の無駄をつくります。私たちは、「できるだけ光熱費を抑えられる家づくり」を新築時に真剣に考える必要があると考えます。

一体なぜこんなに光熱費がかかるのか、と疑問に思う方も多いでしょう。その疑問の答えは、家庭で消費するエネルギーの用途別の内訳を見れば一目瞭然です。冷暖房約25%、給湯が約30%で、これだけで全体の約55%になります。
光熱費の世帯平均が年間25万円程度であることを考えれば、多くの家庭が住まいの涼しさ、暖かさを守るために、年間で十数万円を費やしていると推定できます。しかし、これだけコストを費やしても、断熱性能が低い住まいでは過ごしやすい温熱環境が得られるとは限りません。

「エアコンの効きが悪い気がする」「部屋ごとの温度差が大きい」「暖房をつけても足もとは冷えたまま」などと感じるのであれば、それは住まいの断熱性能に問題があると考えられます。外へ失われていく冷気・暖気を無視して、エアコンをフル稼動させるのは光熱費を無駄に押し上げるばかりで、快適な温熱環境を得るための根本的な解決にはなりません。

転居後の住宅の断熱グレード

健康に害を及ぼす家

断熱していない家は、「健康に害を及ぼす家」に他なりません。
高断熱・高気密住宅は、通常の住宅よりも気密性が高く温度変化が少ないので、室内の湿度をある程度のレベルに保ちやすくなります。室内での適正な湿度は40%以上と言われ、乾燥が進んで湿度20~35%程度になると、風邪やインフルエンザなどウィルスが空気中でしばらく生きながらえてしまいます。また、風邪のウイルスは15~18℃以下の環境を好むという性質を持っているため、冬に寒い室内で過ごすのはそれだけで風邪のリスクを増大させます。
逆に湿度が高すぎる住まいは、結露が発生し、カビやダニが繁殖して、その胞子や死がい、糞が室内に放出されることになります。カビやダニは、アトピー性皮膚炎や喘息などのアレルギー症状を引き起こす原因にもなります。湿度を適切に保つことが、家の中のきれいな空気を確保し、家族の健康を守ることにつながるのです。
最近では、断熱性能が高い家に移り住んだ人ほど健康改善が見られるという調査結果が日本やニュージーランドなど国内外で発表されており、省エネはもちろんのこと、健康面も考えて高断熱・高気密住宅の義務化がイギリスや日本などの各国で進んでいます。高断熱住宅への住み替えで「風邪を引きにくくなった」「手足の冷えがなくなった」「肩こりや腰痛が軽くなった」などの声は多く聞かれ、断熱と健康には明確な相関性があると考えられています。

交通事故死亡者数 入浴中死亡者数推定

ヒートショックから身を守る

冬場、暖房をかけた居間から廊下に出て、あまりの寒さに身震いしたという経験を持つ方は多いでしょう。この極端な温度差は「ヒートショック」と呼ばれ、お年寄りや体調を崩している人の命を脅かす危険があります。
日本では、年間1万7000人もの人がヒートショック、つまり冬場のお風呂場やトイレで亡くなっています。交通事故で亡くなる人より3〜4倍も多いのです。
ヒートショックは、住宅内の温度差8℃以上あると危険性が高まると言われています。そのため、ウィステリアの標準仕様では、全部屋の温度差が4℃以内となるようにしています。「ヒートショックを起こさない家」、それがウィステリアです。
※外気温度やプラン、使用条件によって温度差調整ができない場合があります。

そもそも、高断熱・高気密住宅とはどんなものなのか

そもそも、高断熱・高気密住宅とは
どんなものなのか

高断熱・高気密住宅とは、壁・床・天井などに断熱材を使って高い断熱性を実現し、隙間を埋めて高い気密性を確保した住まいのことを言います。基本となる「断熱」と「気密」とは、
断熱:断熱材を壁などに充填、または外側から覆って家の中と外の環境を分け、熱が伝わるのを少なくすること。
気密:家の隙間をできるだけ無くし、家の中と外の空気の交わりを断ち切ること。
一般的には省エネルギー基準を超える断熱気密レベルを満たしているかどうかが、高断熱・高気密住宅のひとつの目安になります。

国が定める住宅性能表示の項目のひとつである「温熱環境・エネルギー消費量に関すること」における「断熱等性能等級」では、この次世代省エネルギー基準をクリアすることが最高ランクの「等級4」に相当します。

上のイラストは、これまでの低断熱・低気密住宅と、ウィステリアの高断熱・高気密住宅をわかりやすくイメージしたものです。これまでの住宅は、断熱・気密はちょっとだけ。でも、光熱費をたくさん払って設備に頼った暖房を行う。ウィステリアの高断熱・高気密住宅は、小さなエアコン1台と人の熱だけで十分暖かいのです。
※家の大きさやプランなどにより補助暖房が必要になる場合があります。

壁厚150mmの付加断熱工法

壁厚150mmの付加断熱工法

断熱性能は、基本的に断熱材の厚さに比例して高くなります。
ウィステリアでは、壁内に入れた90mmの硬質ウレタンフォームに、さらに壁の外側からも60mmの高性能フェノールフォームを加えた、合計150mmの付加断熱工法を標準採用。高性能フェノールフォームは一般的な住宅に使用されている断熱材「グラスウール」にくらべて約2倍の断熱効果をもつため、一般的な住宅の2倍以上の断熱性能を誇ります
断熱材は一度施工すると、機械のように壊れて交換する必要がなく、建物がある限り使用できます。新築時に断熱性能を上げておくと、半永久的に暖房コストが削減できることはもちろん、室内が暖かいので冬の快適性が大きく向上します。

UA値(外皮平均熱貫流率)

UA値とは何か

UA値とは、「外皮平均熱貫流率」のことを指し、家全体の断熱性を表す数値です。壁を伝わって家の中の熱量がどのくらい外に逃げるのかを表す数値で、住宅や建築物の気温差が1℃のときに逃げていく熱量を、壁や窓、屋根、床などの外部に触れているところの全体の面積(外皮面積)で割ったものになります。

つまり、UA値の数値が低ければ低いほど、断熱性の高い住宅と言えます。
ウィステリアの高断熱住宅は、UA値=0.30W/㎡・Kを達成。これは、国が「断熱性が高い」と評価する「省エネ基準」の2倍以上。そして日本で一番寒さの厳しい北海道のZEH基準をクリアした、断熱性能に非常に優れた住まいです。
※地域・仕様・プランなどにより数値が異なります。保証する数値ではありません。

C値(相当隙間面積)

C値とは何か

C値とは「相当隙間面積」のことで、簡単にいうと「どれくらい家にすき間があるのか」を示した数値です。C値が低ければ低いほどすき間が少ない家=高気密な家であることになります。いかに断熱性能の高い建材を使っていたとしても、すき間があってすき間風が容赦なく吹き込んでくるような住宅だと、どれだけ冷暖房を使っても快適な室温にはなりません。住宅の省エネルギー化を考えるなら、断熱性と同じくらい気密性、つまり空気の通り道の少なさにも配慮する必要があります。

気密性が高い空間は、熱が逃げないため、少しの冷房や暖房で効率よく室内を快適に保つことができるからです。
一般的な住宅のC値の基準は「5.0c㎡/㎡以下」になっていますが、ウィステリアではその10分の1にあたる「0.5c㎡/㎡」を目標値としています。これは、33坪の建物全体で名刺程度の隙間しかないということです。
※地域・仕様・プランなどにより数値が異なります。保証する数値ではありません。

ペアガラス樹脂サッシの2倍以上の断熱性能トリプルガラス樹脂サッシ

ペアガラス樹脂サッシの2倍以上の断熱性能
トリプルガラス樹脂サッシ

窓からは屋根や壁を上回るたくさんの熱が出入りしています。そのため、快適な住まいづくりには開口部の断熱化が不可欠です。
ウィステリアが標準採用しているトリプルガラス樹脂サッシは、ペアガラス樹脂サッシの2倍以上、アルミ樹脂サッシの2.5倍、単板ガラスアルミサッシと比べて約4倍もの断熱性能。内外2枚をLow-Eガラスで構成したトリプルガラスを採用し、従来の樹脂窓に比べ、熱貫流率が約44%も向上しています。

エアコン1台で全館空調

エアコン1台で全館空調

高断熱・高気密住宅のメリットを最大限に活かすのが全館空調です。ウィステリアは、24時間新鮮な外気を取り入れ、クリーンな空気で建物全体を換気しながら適温に冷暖房するシステムを標準仕様としています。玄関やトイレに至るまで全部屋が同程度の室温に保たれ、ヒートショックの心配もない快適な環境が続きます。また、ランニングコストがとても安く、部屋ごとにエアコンを設置する場合に比べて経済的にもメリットがあります。
※家の大きさや構造などによって2台設置になる場合があります。
※外気温度やプラン、使用条件によって温度差調整ができない場合があります。

全館空調システムのメリット
1. 家中がいつも同じ温度で快適
2. クリーンな流れる空気で喘息やアレルギーを軽減
3. 結露が起こらないので住宅の寿命が長くなる
4. 電気代は驚くほど経済的
5. 低騒音設計なので運転音はほとんど気にならない

ダクトエアコンの仕組み

ダクトエアコンの仕組み

全館の快適空調をシステマティックに実現するアメニティビルトイン形のダクトエアコンを採用。気流の吹き出し位置が自由に設計でき、インテリア性を損なうことなく、快適な空間が生み出せます。

ダクトエアコンを採用した家の室内温度データ

ダクトエアコンを採用した家の室内温度データ

このグラフはエアコン1台で全館空調のダクトエアコンシステムを導入した住宅の冬の室内温度と外気温度の実測データです。 建物全体の蓄冷効果により、居室の温度変化が少なくなり、冷暖房負荷が大きく軽減されることがおわかりいただけると思います。
※地域や気象条件、延床面積、設定温度などの諸条件により異なります。