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2025.12.05  / 内山

新潟市美術館の改修に学ぶ、建物を長く守るためのメンテナンスと空間デザインの視点

こんにちは。

新潟で注文住宅・デザイン住宅を新築している「ディテールホーム」新潟支店の内山です。

☆(・ω・)ノ

大変ご無沙汰しております!

 

■ BLOGを書かぬ間に、美術館の大規模改修が完了していました

前回BLOGで「この後、大規模改修に入ります!」とご紹介した「新潟市美術館」

私がBLOGを書かぬ間に、約11ケ月をかけた大規模改修が無事終了。

今年の8月30日にめでたく「リフレッシュオープン」を迎えております。

おめでとうございます。

(オープン後に足を運べていないため、写真は前回BLOGの流用です。ご容赦を)

今回の改修で空調設備・照明設備・防災設備を更新し、そのうち照明設備は「全館LED化」されたとのこと。

(住宅は「照明=LED」が一般的となり久しいですね)

この更新で「照度・色温度の微調整が可能となった」そうで、展示内容によって照明を変化させられる幅が大きく広がったと思われます!

改修概要を見ると「長寿命化のメンテナンス」も行われています。

新潟出身の建築家・前川國男設計の建物を「これからも大切に使います」という意思表明だと思うと嬉しいですね。

(個人的に、ずっと残してほしいと思う建築なので)

既に「行きました!」という方がいらしたら、まだ行けずにいる内山までレポートお願いいたします。
_(:3 」∠)_マッテマス

 

■映画「国宝」と、建築を見る視点の話

話は変わりまして。

皆様、映画「国宝」はご覧になりましたか??

吉沢亮さん・横浜流星さん主演の、歌舞伎の世界を描いた映画です。

ご多分に漏れず、私も2時間55分の映画鑑賞をいたしましたが、映画の内容などは割愛しまして、ここでお話しするのは「ロケ地」についてです。

映画やドラマで素敵な建物をみると「ここ、どこだろう??」と気になるタイプの建設業従事者なのですが、たまたま「『国宝』ロケ地の一つが、特別公開されているらしい」という情報を発見。

建物への興味と、映画鑑賞直後のタイミングだった故の「ロケ地?!見たい!」のテンションと勢いに背中を押され、足を運んでまいりました。

その場所はどこかと申しますと「先斗町歌舞練場」(ぽんとちょうかぶれんじょう)。

上部にスクラッチタイル、下部は「土蔵」のなまこ壁を模した外観。

1927年3月竣工、京都市の鴨川沿いにある「歌舞練場」です。

「京の夏の旅」の特別公開会場のひとつでした。

(冬なのに夏の話で恐縮です、ずっと温めていまして…あと、テンション上がったとて京都まで行かないですよね、普通そうですよね、そこも重々承知しています)

見学はツアー形式。

何人かのグループになり、ガイドさんの説明を聞きながら見学するスタイルです。

受付を済ませて中に入ると、映画撮影の行われた玄関ホールがあります。

意匠やタイルの使い方が趣深く、醸し出す雰囲気が映画の世界とぴったり。

ロケ地として選ばれた理由がよくわかります。

階段の「蹴上」(垂直部分)には、花柄のタイルが貼られています。

よく見ると、1枚だけ逆さに貼られています。

さて、どこでしょう?

「芸に励み完成を目指す」という意味で、あえて「未完成のデザイン」としているのだとか。

こうした遊び心があるからこそ、建物はただの箱ではなく、時間とともに物語をまとう存在になるのだと感じました。

また、内部から望む景色や光の入り方など、住まいとは違うスケールであっても、「空間が人の感情に作用する仕組み」 に多くのヒントがありました。

 

さらに奥へ進むとテラスがあり、鴨川が一望できます。

その他、撮影が行われた「楽屋」も見学コースに含まれていた様なのですが、私が伺ったタイミングがたまたま「お稽古中なので、ゴメンナサイ!」で、見学NGでした!残念!!

その代わり、お稽古の「音」を楽屋の外から楽しませていただきました(*’ω’*)

常時公開はしていませんが、京都の「建築祭」などで公開される事もある様なので、見学ご希望の方はそうしたイベントを狙うのがよさそうです。

 

■京都で出会った建築

さすがに、京都まで行って歌舞練場だけ見てきたわけではありません。

他に訪れた場所を足早にご紹介させてください。

まずは鳩居堂(きゅうきょどう)。

1663年創業の書画用品・お香の老舗専門店です。

(鳩居堂スタッフさんに撮影許可をいただきました、ありがとうございます!)

106年振り(!)の建替となった店舗の設計は、建築家の内藤廣さん。

渋谷の再開発などにも携わっていらっしゃいます。

(内藤さんのお話は、いつか別の機会にできたらいいなと思っています)

店舗内には図面も展示されており、建築関係の方の来店もしばしば(多々)ある様です。

四角い箱に入っているのは「便箋」。

この店舗限定の「レターバイキング」では、異なるデザインの封筒や便箋を1枚ずつ選択し、自分だけの「カスタマイズレターセット」が作れちゃいます。

次に、南座。

京都市東山区にある、登録有形文化材の劇場です。

中には入れないので、外観だけ撮影!

ちょうど「流白浪燦星(ルパン三世)」の公演期間中でした。

愛之助さん、かっこいい。

そして今宮神社

京都市北区にある、健康長寿・災疫鎮静の社です。

(写真は楼門)

こちらも登録有形文化財。

しっかり「健康祈願」してまいりました。

という具合に、京都を満喫した足跡のご紹介でした。

 

■建築を見る旅がくれる気づき

…と締めようと思っていたのですが、何気なく赴いた「『南座』と『今宮神社』も、実は『国宝』ロケ地だった」という事が、このBLOGを書く過程で分かりました。

気づいていないだけで、聖地巡礼していた様です。

出来すぎた偶然に震えています。

(南座はまだしも、今宮神社は中心地からそれなりに離れているので「偶然通りかかる」にはハードルが高いのです…)

観るべくして映画を観て、行くべきしてロケ地に行ったのだな、と。

今回の訪問では、ロケ地以外にもいくつか建物を巡りましたが、それぞれに歴史・素材・意匠の工夫があり、結果的に旅全体が “建築を学ぶ時間” となりました。

 

■新潟市美術館の改修と、住宅のメンテナンスは繋がっている!?

話を美術館に戻すと、建物を長く使うためには「適切なメンテナンス」と「更新」が欠かせません。

美術館のような文化施設も、映画ロケ地として残る歴史建築も、“続けて使うための工夫”があるからこそ現代に受け継がれています。

これは住宅もまったく同じで、断熱や設備を適宜更新しながら住まいを“長く良い状態で保つ”ことが暮らしの豊かさにつながります。

今回の改修と建築巡りを通じ、建物はつくって終わりではなく、育てていくものという考えをより感じました。

 

■最後に

建物を眺める視点を少し変えるだけで、日常の景色は大きく変わります。

どこかへ出かけた際には、ぜひ建築の素材・光・ディテールにも注目してみてください。

きっと新しい発見があるはずです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

長いので、今回はおやつ紹介無しです。

ではまた次の機会に!

 

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